2022年07月23日

情愛と恩返し

令和4年7月8日 安倍元首相が逝去されましたね。 本当に痛ましく悲しい事件でしたね。 ご家族様のお気持ちを察すると その辛さと切なさに心より共感するばかりです。 皆さんも何れは生涯で御身内や友人・知人の死に出会うことでしょう。 昔 私の佛心深い恩師がこう言いました。 「淺田君 家族や親類 あるいは友人の死を観てただ悲しむだけではだめなのですよ。 学ばなければいけないのですよ。」と。 その時は私はまだ二十代 あまりその先生のおっしゃる意味がピンとこなかったのですが 近年 やっとその真意を悟れるようになりました。 それは身内や友人の死を知って 出会ったことへのご縁に感謝するということのようでした。 不思議なもので故人となってしまった身内でも友人でも もうこの世に居られないのか〜と思った時 その方に善くしてもらったことや 優しくしてもらったことしか思い浮かばないのです。 父親とは口論したことが何度かあったのですが もうこの世から旅立たれてしまった今 父は自分の人生をどう感じていたのかな〜 寂しかったんだろうな〜 もっと敬うべきだったかな〜 なんて思うことがあります。 また 私が幼いころから動物園や遊園地によく連れて行ってくれて よく面倒を見てくれた従姉妹も二十二〜三年前にまだ若くして子宮癌で亡くなったのですが もっと恩返ししておけば良かったな〜 なんて後悔する日々があります。 私がニュージーランドから帰国してから一〜二年後のことでした。 病院で意識が亡くなる数日前に微笑みながら優しく私の手を握ってくれた従姉妹でした。 昔は親父の会社に勤務していただけに 夜は家に来て 小さな弟の様によく面倒をみてくれました。 色白で綺麗なお姉さんでしたので そのしなやかで白く美しい手が今でも蘇ってくることがあるのです。 こんなことになるんだったらもっともっと一生懸命に治療をしてあげるべきだったな〜と後悔しました。 恩返しが出来なかったこと 慈悲愛が足らなかったこと 自分の目の前のことにしか集中していなかったこと とにかく反省するべきことばかりでした。 今世だけの出会いだったかもしれないのに… お姉さんは私に人として何か大切なことを教えるために今世で出会うご縁だったのかもしれないのです。 成瀬君といい 久美子姉さんといい 家族でもないのに 本当に良心ある情愛でもって私に接してくれました。 そして常に労り喜ばせてくれていただけに心残りです。 私はあの頃 人間の情愛を忘れていました。 というか 感じ取れていませんでした。 それからというもの 人の死をもって人間の情愛の大切さを真に学ばされました。 恩の有る人には生きているときに恩返しをしないといけないな〜と切実に思う今日この頃です。 
posted by 浅田先生 at 01:29| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする