2023年05月05日
人生、喜びは続かない
人生 喜びは続かないといってしまえば 皆さまはガクンとくるかも知れませんね。 でも残念ながらそれは真実なのですよ。 そうではありませんか? 喜びの後にその喜びが消え でもまた新しい喜びがあるかもしれませんが やはり消えてしまいます。 人生はそれの繰り返しですよね… 生まれてから死ぬまで一日たりとも悲しみや辛苦が無く 永遠に喜びで終わった人はひとりもいないはずです。 それが人の世の掟なのですから… 私もこれまで多くの喜びを得ましたが 多くの悲しみも得ました。 皆さまはどうでしょうか? ただ幸い 悲しみの日々が続いても 喜びの日々がまたやってくれば再び幸せを感じます。 切ない日々が続いても 辛い日々が続いても 喜びの日々が来ればそれまでの辛苦も 悲しみから抜け出したいという切望じみた日々も忘れられたり 消えたりします。 そうではないでしょうか? 人の心の動きの運命は元々そのように出来ているものなのでしょうね。 そういった変化を力で変えてやろうと 辛いことや悲しいことを無くそうと いくら努力して四苦八苦しても変えることはできませんよね。 一度は成功しても二度 三度と常に続行してゆくとは限りません。 どんなに喜びあふれる幸せな日々を過ごしていても何かの影響で必ずそれが消え去ってしまう日々を迎えるでしょう。 これを佛教用語で五蘊盛苦と言います。 自分の心や身体が自分の思い通りにならないのです。 どんなに愛している人がいても相手が去り 相手の気持ちが変わらなければ自分の気持ちを元の喜びに戻すことは出来ません。 どんなに昔の様な喜びに満ちた美貌や美肌や体力に戻そうとしても年齢や病気と共に失われていきます。 でも大事なことは失われた喜びに執着するのではなく 新たな喜びを見つけることなのです。 年老いたものが若さを取り戻そうとしても無理です。 若い時の喜びはもはや失われてしまったのですから そこへ戻ることは出来ないように私たち人間は造られているからです。 いくらもがき苦しんでもかえって自分の心と身体を苦しめるだけでしょう。 それよりも二十歳代には二十歳代の喜びと楽しみがあり 四十歳代には四十歳代の喜びと生き方があり 六十歳代には六十歳代の喜びと悟りがあり 八十歳代には八十歳代の喜びと心の締めくくりがあるのです。 ですので六十歳代の人が四十歳代や二十歳代の人の幸せそうな姿を観て もう一度あの喜びに浸ろう 八十歳代の人が六十歳代や四十歳代の人の幸せそうな姿を観て もう一度あの喜びに浸ろうとすること自体が苦しみになります。 過ぎ去った昔の望郷に浸り 失われた喜びを後悔するのは無駄なことなのです。 今日の日々の中で喜びを見つけることが大切だと思います。 他人と自分を比較しないこと 老年者が若年者と比較しないこと 年相応の喜びを探すことで生き甲斐を感じ生きてゆくこと こうしたことによって心も身体も平穏にすることができ そのような素朴で落ち着いた平静な心 それが天から人間に求められていることだと思うのです。